宅配クリーニングをサービスする事業者と利用する人が増えるにつれて、クレームも増加傾向にあります。2015年3月に独立行政法人国民生活センターから「宅配クリーニングを利用する際のトラブルに注意するように」との通知が出されました。
宅配クリーニングはネット上のやり取りで、お店の人の顔が分からない分不安ですよね。そこで今回は宅配クリーニングを利用するうえでの注意点と、トラブルの避け方を紹介したいと思います。また、国民生活センターからアナウンスされたクレームと対処法も説明します。
宅配クリーニング、便利だけどどんなことに注意する?
店舗に出すクリーニングと違って、宅配クリーニングを利用する際の注意点はどんなことが挙げられるでしょうか。店頭では、クリーニングする材質、それからクリーニングができるかどうか、ポケットの中身や飾りボタンの有無など詳しくチェックしてくれます。それがクリーニング店に出すことのメリットであり、安心にもつながっています。
しかし、実際に店舗の裏に工場を構えていない限り、ほとんどのクリーニング店が預かった洋服等をクリーニング専門工場などに出しています。利用者と工場の間に店舗でのサービスが入っている感じでしょうか。
宅配クリーニングの場合は、利用者から預かった衣服などを回収して、そのままクリーニング工場に直に持ち寄るサービスがほとんどです。その分、早いですし自宅まで回収、そして配達してくれるので便利ですが、衣服の状態やポケットの中身、それから飾りボタンなどが取れたり欠けたりしないように、利用者のほうでも気をつけておいたほうが安全でしょう。
たとえば、クリーニングに出せない衣類は宅配には出さない、それから飾りボタンなどはアルミホイルで包んでおき、衝撃などを緩和する、ポケットの中身をきちんと確認しておくなどです。
また、宅配クリーニングに出す衣類の数や特徴、それからシミ、ほつれ、汚れの部分なども把握しているとよりいいでしょう。入れ忘れや行き違いが起こった時、また衣類にトラブルが生じたときなどの証拠になります。
宅配クリーニングで心配なのは、どんなところ?
せっかくシミ抜きを頼んだのに、シミが取れなかった、クリーニングに出したらボタンが取れてしまった、飾りボタンが欠けてしまった、ほつれが出てしまったなど、案外クリーニングでのトラブルは多いものです。
それから、店舗型では、受付時にきちんとポケットのなかに何も入っていないかを確認してくれることが多いですが、宅配クリーニングの場合は、ポケットの中身が入ったままそのまま出してしまって、工場の人がきちんとチェックしてくれればいいのですが、万一紛失してしまっても保証ができません。その点が宅配クリーニングの心配点でしょうか。
店舗が入っていれば、きちんとクリーニング前にチェックしてくれることも、宅配クリーニングでは自主的にきちんと管理しておかねばならないというのも大事です。
宅配クリーニングは便利ですが、その分、気をつけるべきルールがあります。もちろん宅配クリーニングにもカスタマーサービスがあるので困ったときには相談したり、またクレームを寄せることもできます。
しかし、ポケットの中身を紛失したり、ボタンが取れたり、また大事にしていた衣類のシミが取れず悪化した、衣類の質感が変わってしまったなどのトラブルの場合は、クレームをしたとしても元の状態に戻すのは非常に難しいです。
その点は利用前に自分でしっかりと衣類の状態を把握し、注意点はしっかりその旨を宅配クリーニング業者に伝えておきましょう。衣類の状態はスマホでもいいので写真に撮っておくといいでしょう。できれば一枚だけではなく、様々な角度から数枚撮っておくとよりいいと思います。
宅配クリーニングを利用したいけど、トラブルが心配?
実際に、宅配クリーニングと店舗に出すタイプのクリーニングはどう違うのでしょうか。店舗型でも、その店舗の奥で作業を行っているタイプの店舗では、即日仕上がりなどの特急サービスもしています。なぜならすぐ裏が工場になっていて、スケジュールや作業のコントロールが可能だからです。
しかし、店舗はあるけれど、あくまで衣類の受付や保管のみという店舗は、そこから自社工場や契約しているクリーニング工場に衣類を出して、それでクリーニングをしてもらわなければなりません。
そのため、衣類を回収しにくる時間、また届ける時間などが決まっており、店舗のなかでコントロールすることはできません。
店舗でクリーニングを行っていない場合でも、集荷時間に間に合えば、即日引き取り、翌日配達クリーニングが可能なところも多いはずです。
しかしながら、即日でクリーニングする場合、どうしても時間の制約がありますので、じっくり時間をかける作業が必要な場合、即日仕上がりを断られることがあります。
一般にシミ抜きなどは、そのシミの原因を突き止めて、適切な形でシミ抜きをしなければいけないからです。
宅配クリーニングへのクレーム例
1.クリーニング品がなくなる
クリーニング業者と宅配業者と依頼者が関わるので、実店舗との取引よりもクリーニングを頼んだ衣類が紛失するリスクは高まります。しかし、クリーニング品の紛失は実店舗でも起きていることを忘れていけません。
ホワイト急便などでも、クリーニングを依頼する人は実店舗に衣類を持ってはいきますが、そこからクリーニング工場に集められてクリーニングし、各店舗に戻されてから依頼者に戻る仕組みですから、宅配クリーニングだけ紛失リスクが高いわけでもありません。
10点詰め放題などのパックサービスを利用すると、紛失しても何がなくなったのか自分が覚えていないと解決は困難です。宅配クリーニングを利用する時は、袋や箱に詰める前に写真を撮るなどして、何をクリーニングに出したか記録を残しましょう。
2.汚れが落ちていない
ほとんどの宅配クリーニング業者は誠心誠意を込めてクリーニングをしていますが、宅配クリーニングを利用する人が増えるにつれて、商品管理がいい加減な業者が参入してきているのも現実です。
シミや汚れが完全に落ちていなかったというクレームはまだ良い方で、中にはクリーニングしたとは思えない状態で返却されることもあると言います。
クリーニングできれいに落として欲しいシミは写真で撮って、メールで依頼する時に写真も添付すると良いですよ。
3.連絡が取れない
ワンピースのつもりでクリーニングに出したのに、パーティドレスと判断されて5倍の料金がクレジットカードで引き落とされていた、抗議しようにも連絡が取れないと言うクレームが寄せられています。
汚れが落ちていないので、再仕上げをお願いしようとしたら、メールでしか連絡が取れないことがわかり、メールをしても返事が来ないというトラブルも起きています。
利用する宅配クリーニング業者を選ぶ前に、ホームページに記載されている電話番号に電話をかけてみて、実際に営業しているか、応対がきちんとしている業者か確認しておくと安全です。
宅配クリーニングをスムーズに賢く利用しましょう
早くて自宅まで届けてくれる宅配クリーニングサービスはとっても便利なものです。だからこそ上手に使いこなして日々の忙しい生活の助けになって欲しいものです。これからは店舗に出向く必要なく、自宅にいながらにしてすべて済んでしまう時代。
宅配クリーニングの利用者としてコツさえつかんでいれば、毎日の生活に余計な時間をかけず、そして清潔なクリーニングで仕上がった衣類を身につけて、清潔で快適な毎日が送れそうですね。
あとはクリーニングに出す衣類をどのような仕上がりにするのか、また特別なサービス、たとえばシミ抜きなどが必要かどうかでピッタリの業者さんも違ってきます。
ごくごく一般のサービスをする業者、とにかく価格が自慢の業者、それからきめ細やかで、お客さんの要望に確実に応えてくれる専門店など各クリーニング店に特徴があるのです。その違いをよく知って、自分にあった宅配クリーニング業者を見つけるといいでしょう。